金巻の家
デザインコンセプト
建具や古材を取り入れ、豊かに住まう家
「永く暮らす家だから、時と共に愛着が高まる家にしたい」
「これが自分だと言えるような、自分達らしい家づくりをしていきたい」
家族の為に、建築のことや間取りの事、予算の事。日々SNSなどで情報収集をされていると思います。情報があふれている中で、どんな家が自分達らしい家なのか、無理なく暮らしやすい家はどんな家なのか、悩みながら検討されている方も多いのではないでしょうか?
これが自分だと言えるような、自分達らしさを大切にした家づくりをお施主様ご家族は取り組まれました。
ポイント1
愛着が増していく工夫
家の中で1番手が触れる所はどこでしょう?実は建具(戸・障子・襖)です。
日々暮らす中で、触れることが多い場所は心地よい素材が良いですよね。建具には古建具を一部使用しました。時代建具と言われるほど手仕事の繊細な美しい痕跡が残り、生きている時間が長い建具です。一点ものをお施主様と一緒に選びに行きました。ひとつひとつを選ぶことでより愛着が増します。また落ち着いてのんびりと過ごせるように床だけではなく、天井にもあたたかみのある無垢材をたっぷり使い、仕上げました。そして天井はあえて高さを抑えました。心地よい素材を近くに感じ、大きな窓を設けることで圧倒的な広がりを感じます。
ポイント2
動きに合わせた収納計画
家族みんなが使う収納を設け、毎日簡単に片付く工夫をしました。居心地の良い空間が散らかってしまっては少し残念。日々頑張らなくてもすっきりと片付く収納計画をしました。リビングと玄関の間には靴はもちろん、コートやジャケットをすっきり収納します。2階には家族みんなで使うウォークインクローゼット。まとめてたっぷりしまうことができるため、これから成長していく家族に持ち物が増えても対応できます。また緑が多く、風が通り抜ける敷地環境を活かし計画しました。格子から透けるようにモミジが見える情緒的なお庭は、穏やかに季節を感じさせてくれます。東に開いたリビングにはウッドデッキを設置し、外と中をゆるやかにつなぎます。
本物の自然素材や古建具をつかうということは、それを扱うことができる技術と職人がいることが条件になります。また「なんだかわからないけれど、心地よい」こんな空間づくりも設計の腕の見せ所です。