金巻の家
デザインコンセプト
人と人の距離感を意識した、心地よい住空間。
こちらのお住まいは、親、ご夫婦、お子さんの3世代が暮らす同居型の家です。
同居型の家の場合、特に気にしなくてはいけないのが「人と人との距離感」です。いくら親子とはいえ、生活のリズムが異なることも、気を使うことも、時にはぶつかることもあります。そのため「程よい距離感を持った住まい」というのが今回のテーマとなりました。
そこで考えたのが、家をひとつの街ととらえて計画すること。
各部屋(寝る+くつろぐ)がそれぞれの家で、廊下は道路。ユニットバスは銭湯、ダイニングキッチンは美味しい食堂かおしゃれなカフェのように。庭は小さな公園のイメージです。
みんなが共有する場所がダイニングキッチン。ここでは家族の食事はもちろん、友人を招いて食事会や飲み会も出来れば、お母さんのお友達が集まってお茶のみの場所にもなります。
目的と用途をはっきりさせることで、3世代が暮らす家でありながら延べ床面積30坪というコンパクトさが生まれました。
それぞれにしっかりとした「居場所」があるからこそ、気配を感じながら、程よい距離感を保つことが出来ます。共有の食堂と隣接した庭がコミュニケーションの場となり、それぞれの暮らしにメリハリが生まれることを期待しています。
ポイント1
屋根がかかったテラスの魅力
コストや耐震性を考えると、できるだけ総2階に近いほうが有利です。でもこの家は、機能と居心地の為に上下階をずらして平屋部分とピロティ部分を造っています。
コストはかかりますが、各寝室に対しての生活音の問題、屋根がかかったテラスの魅力、2階からの眺めを良くするためです。限りある予算の中でどこにお金を掛けるのか?それぞれのご家族によって答えは違います。「妥協」ではなく「厳選」という視点で、優先順位を見極めることが大切です。
ポイント2
軒の工夫で空間を演出
以前からある住宅街での建替えのため、落ち着いた雰囲気の外観としました。日当たりの良い南側は広く庭を設け、家庭菜園なども楽しめます。最近は軒の出や庇の無い家が増えていますが、南側の1階部分は大きく軒を出すことで室内への直射日光を抑えています。それと合わせて半外空間のような軒下が、庭とのつながりを演出してくれます。