構造現場を見ないで、家づくりを進めないでください。

見学会のポイント

「私たちにとって価値ある家づくりをしてください。良いものにはきちんとお金をかけたいんです。」という施主のお気持ちからスタートしている今回のお住まい。まだお若いご夫婦で、お子様がお二人。お会いした当初から、気持ちは全くぶれることなく、迷うこともなくという印象のままのご家族です。普段から洋服も持ち物も、食材もおもちゃも、自分たちが気に入ったものだけを選んで購入されてきたそうです。お店も素材も妥協しません。「こどもたちと庭で野球や雪遊びをしたいんです。」という野球が大好きなご主人。「シンプルでいいんです。必要最低限の収納で、子供たちの部屋は四畳半あれば充分。」とさっぱりしている奥様。「だんごむしっ！あっバッタ！　ほらっクモ。」と観察大好きな兄弟。ご家族の暮らしが想像できる土地探しからスタートしました。妙高市はご存知のとおり、1年の4分の1が雪のなかでの暮らしです。昨年の初夏から土地を探し始めて、雪の降る中、土地を決められました。雪が積もっている時の土地探しは、一番条件が良い土地が見つかるものです。土地探しは冬行うのがオススメです。本当の土地の姿がわかります。

深いひさしがある今回のお住まい。暑い日は日差しを遮り、お日様の光が大切な冬は暖が取れる場所になる。自然な風が入り込み、リビングを通って抜けていく。お昼寝が楽しみになる3畳の和室。ほんわか香る木の匂いが好きなご家族。越後杉を使用し、ナラやタモで仕上げていく室内。さらっとした手触りの良いお住まいです。言葉では伝わりにくいので、現地で体感してみてください。虫も、鳥もみんな一緒にすむ住まいになりそうです。恵まれた環境を生かし、限られた大きさの住まいをのびのび感じさせる家づくり。強くて優しい印象の構造現場。きっと多くのヒントが発見できます。

収納も、扉も必要最低限。そんな大切なものを見極めた住まいをどうぞご覧ください。構造現場でしか感じられないポイントを発見できます。そしてせっかく時間をつくって見学されるなら、「これっていいね！」と感じるものを、最低3つは見たり聞いたりしてください。「これから家づくりをされる方のために、どうぞ見学会をしてください。」とお施主様のご好意で開催します。

ご案内

この見学会は終了しました。多数のご来場をいただきましてありがとうございました。

熊木からのメッセージ

家づくりをはじめる多くの方が一番初めにすることは、展示場や完成見学会に行くことかもしれません。「なんとなくこんな家がいいなぁ」などのぼんやりとしたイメージを、しっかりとした形に変えるために、とても良い方法だと思います。

「こんなキッチンならお掃除簡単そう！」「食品庫やシューズクローク。これほしかったなぁ」「リビング　これくらい広いといいよね。」と具体的に部屋の広さが見て分かり、手触りや質感も感じられます。そして安心して、家づくりをスタートし、念願のマイホームを手に入れる。このようにきちんと見て、選んで家づくりを進めることは一般的に大切なことです。

それも正しいステップです。しかし、建築中の現場を見ておくことはとても重要です。

例えばご家族の食材をスーパーなどで選ぶときを思い出してください。あなた様は食材をパッと見て「これ美味そう。彩りも綺麗。料理も簡単そう」と思ったとします。でも次の瞬間パッケージを手に取り裏返して、原産地、原材料、加工先など見たことはありませんか？カロリーやビタミン、カルシウム等の栄養成分表までじっくり見たりしませんか？さらに試食までしてみる方もいるかもしれません。その店頭食材になるまでの過程を知って、初めて安心してレジへ行かれる方が多いのではないでしょうか？

家づくりも同じなのかもしれません。完成した家を見るだけではわからないことがあるのです。展示場で充実したキッチンやユニットバス、トイレやリビングを見ただけでは、良い住まいかどうかの判断はできません。食材と同じで、出来上がった状態よりも、そこに至るまでの過程が重要だと考えます。

地震に強い家の構造はどうなっているのか？構造材はどこから切り出されているのか？職人さんはどこに住んでいる人なのか？どんな目的で家づくりをしているのか？　現場の清掃は行き届いているのか？素材は自分たちの暮らしにあっているのか？

などを知ること。それは良い家づくり・失敗しない家づくりの第一歩です。わたしたちが「構造現場も見ないで、家づくりを進めないでください。」とお伝えする理由をご理解いただけましたか？あなた様ご家族の限られた予算を最大限有効に活用し、ずっと安心して暮らす、そして失敗しない家づくりをしていただくために現場見学会を活用してください。現場見学会はあなた様のために必ず役に立つ場です。それでは現場でお待ちしています。

株式会社熊木建築事務所　上越
所長　佐藤サユリ