熊木建築事務所ブログ
2017.2.6(月)/お知らせ
『坪単価』に惑わされないように
最近は風の強い日が多いですね~。。
向かい風だと自転車も大変です。
風、雪の合間を狙って、先日I様邸の断熱材吹付け工事を行いました。
硬質発泡ウレタンを隙間なくきっちりと!
これからタイベックと呼ばれる防水シートをまわして、通気対策をとりながら胴縁、外壁を貼っていきます!
木工事も佳境に入りましたが、これまでボードとブルーシートだけだったので、職人さんたちの中工事も
ちょっと快適になったと思います^^;
内部の家具やエアコンなどの最終的な打合せをさせて頂きながら着々と竣工に向かっていますが、
今しばらくお待ちください!
さて、もしかしたら過去に坪単価のことについて書いているかもしれません。
でも今回改めて書いてみようと思います。
『坪単価』を住宅会社選びの参考にしている方は多いと思います。
家づくりを検討し始めたばかりの方から、実際に見学会等でもよく聞かれる質問です。
確かに、数字を比べれば良いだけなので、判断基準としてわかりやすいと思いがちです。
でも、そこには大きな落とし穴がありますのでご注意下さい。
坪単価とは、『建物の本体価格』を『床面積』で割った金額のことです。
ところで、『建物本体価格』とは何を指し、『床面積』とは何を指すのでしょう?
実はコレ、住宅会社によって解釈が異なります。
まず『建物の本体価格』について。
これを、建物そのものだけの価格だと捉える住宅会社もいれば、照明器具やエアコン、カーテンなど、
住むために必要な設備を含めた価格だと捉える会社もあります。
どの設備までを含めるか、これもまた住宅会社によって解釈が異なります。
ということは、この時点で、すでに価格の違いが発生しています。
次に『床面積』ですが、住宅会社は、『延べ床面積』か『施工床面積』のいずれかを用います。
『述べ床面積』には、玄関ポーチ、ベランダ、小屋裏収納などは一切含まれません。
それらを全部含むのは『施工床面積』の方です。
例えば同じ本体価格を、『延べ床面積』と『施工床面積』、それぞれで割ってみると、
当然数字の大きな『施工床面積』で出した坪単価の方が安くなります。
坪単価の安さをアピールしたい住宅会社は、単価が安くなる方法で計算します。
本当に必要な金額から単価を割り出したい住宅会社とは、計算に使う数字が異なるんですよ。
そして、そういった住宅会社は、お客さんが尋ねない限り、坪単価の計算方法を積極的に伝えません。
『建物本体価格』も『床面積』も、住宅会社によって捉え方が違うことがわかると、坪単価の曖昧さがよくわかったことと思います。
結局、坪単価は、おおよその目安にしかなりません。
そんな落とし穴だらけの坪単価を住宅会社選びに利用するのは避けた方が良いと思います。
キッチンやお風呂なんかはもちろん、照明器具やエアコン工事等、
一定のルールの下で平均的な坪単価を聞いてみれば多少は参考になるかもしれません。
ところで、実際に暮らせるようにするには、建物本体費用のほかに、地盤改良、屋外給排水、
外構などの工事に関わる費用や、許可申請費や税金など、多くの費用が必要です。
どんなに比較をしたくても、同じ条件の敷地で、全く同じ材料で、全く同じ家づくりをしない限り、それは無理なことです。
しかしそんな比較法では、それぞれの住宅会社の個性は活かされません。
もし比べるのなら、
『あなたの考えに共感した住宅会社が、安心して掛けられる予算でよりよい家づくりをするために
どんなアイデアを出してくれるのか』
そういった点を重視するのも良いと思います!
建築会社の人間がこんな話をするのもちょっと変かもしれませんが、
はっきりしたルールの無いあいまいな坪単価にはとらわれすぎない方が良いですよ!
新潟事務所の佐藤でした!