熊木建築事務所ブログ
2019.3.10(日)/お知らせ
~台所 2~
こんにちは。設計・現場管理の植木です。
前回に引き続き今回も台所についてです。
今回は対面キッチンを採用した家をご紹介したいと思います。
対面キッチンは台所に立った時にリビングやダイニングを見渡せるというメリットがある反面、
見えすぎる(見られすぎる)というデメリットもあります。
近すぎず、遠すぎずにならない様な工夫をご紹介していきたいと思います。
■天野建売住宅
・LDK全景
手前がリビングで奥がキッチンです。
リビングのソファに座っている人はキッチンに立った人からは見えないように配置してあります。
くつろぐ場(リビング)と作業の場(キッチン)が、同じ空間にありながら視線は届かないよう配慮しています。
・キッチンに立った時の写真
”街とつながる”というのがテーマの住宅地。
なので、キッチンに立つと 食卓→デッキ→庭→街の公園 と、視線が外に向かって延びていくように配置しています。
・デッキに出た時の写真
外にもテーブルや小さな円卓を置いてアウトドアリビングとして活用されます。
■東区Y邸
・台所から見た写真
食卓と外に向かって視線が延びます。
光の具合で分かりにくいですが、正面の4枚建ちのサッシからは見晴らしの良い景色が広がっています。
・リビングから見た写真
透明ガラス框戸で仕切られたリビングは視線がつながって一体的に見えますが、建具が有るのと無いのでは感覚的に大きく違います。(透明ガラス框戸を閉めると仕切られた感じになります)
体感しないと分かりにくいですが、その様な図面では見えないところも設計でデザインされています。
■新発田市M邸
・リビングから見た写真
木箱の様な壁で囲まれた対面式の台所です。
・台所内部の写真
写真では映りきらなくてすみません・・・。台所内部の床はリビングのソファや床に座っている人と目線が近付くように(見下ろす形にならないように)一段下げて施工されています。
・台所内部の写真②
小物や調味料、観葉植物等を飾って上手に使ってくれています。
・リビングの写真
ちなみにこちらがリビング。
家具や植物で空間が彩れています。
■東区W邸
食堂から台所を見た写真
台所と食堂が横に並ぶ形です。
食卓とキッチンがとても近くなりますので、作業効率が良いです。
食堂は家族だけで使うスペースとしているのでコンパクトに親密な空間となっています。
・台所から食堂を見た写真
・台所からリビングを見た写真
キッチンに立つと正面がリビングになります。
ご友人や、親戚の方々等、来客が多いときは広めにとったリビングを活用します。
■西区T邸
・リビングから見た写真
こちらも台所と食堂が横に並ぶ形です。
・食堂・台所からリビングを見た写真
写真左にある障子を開けておくとリビング、食堂、台所が一体感のある空間になります。
・食堂・台所から見た写真②
3枚建ちの障子を閉めるとリビングが個室になります。
将来は1階での生活という事等も考慮されています。
・食堂の写真
限られた面積ではどうしても小さくなってしまうスペースが出てきます。
しかし、小さい良さもあります。リビングほど広く取れてはいない食堂ですが、窓から見える植栽や照明器具、テーブル、椅子等の家具で、より親密な空間となってくれています。
■対面キッチンの収納
対面キッチンではキッチンの後ろや脇に収納や、家電が置かれるカウンターが来ることが良くあります。
収納の仕方で悩まれる方もいらっしゃるので少しご紹介します。
東区O邸
統一された家具で綺麗に収納されてます。
しっかり仕舞えて来客者から見られても安心できますね。
■中央区K邸
O邸とは逆に見られても良い収納の仕方になっています。
建築で造っているのはレンジの置いてあるカウンターとビンが並んでいる上部のカウンター2段だけです。
家具を購入されて綺麗に使ってくれています。
建築での造作も良いですが、自由がきくのが家具の良いところの1つでもあります。
後々の事や、住んでからの変化の事を考えると建築で造り込まない。という手もありますよ。
一部ではありますが以上になります。
いかがでしたでしょうか?
対面キッチンは確かに流行していますし、希望する方も多いです。が、家族の距離感を考えると一工夫必要なのも事実です。
今は良くても10年、20年と経つと家族の形や生活の仕方も変わってきます。
希望と理想と現実を見ながら、未来に向けての予想をプロである設計者と一緒に検討することが大切です。
家族全員が程良くつながって一体感が欲しい時、一人でいたい時に対応できるようなLDKがつくれるようにと思っています。