熊木建築事務所ブログ
2018.9.7(金)/お知らせ
~家のような店舗!?~
こんにちは。設計・現場管理の植木です。
先日、三条市で工事をしていた美容室が完成し、オープンいたしました。
オープンが迫る中での工事で大工さんを含め、各職人さんも”丁寧”+”スピード”が求められる現場でしたが、無事にオープンまで辿り着けて一安心しています。
今回の美容室は”家のような落ち着けるお店”をコンセプトに計画しました。
店舗という生産の場でありながら、家のように落ち着けるという、違う要素を持つ空間を同居させることに挑戦しています。
外観はいつもの様に周囲になじむように。
計画地付近を散策して、周囲の雰囲気を確認して決めていきます。
ちなみに今回は背の高い柱を使用し、1.5階建の様な軒高にしています。
昔の木造校舎の様なイメージでしょうか。
列柱も意匠的に効いています。
空調だけに頼らず、風も取り込む計画なので屋根は大事な要素になります。
ポーチの写真です。
玄関ドアも普段から使用する物。いつもの家のような雰囲気です。
ポーチの先に坪庭を造っています。
着付室(和室)からも眺められるようになっています。
エントランスから入ってみる写真です。
手前が待合スペースで、床材が切り替わったところからがカットスペースです。
カットスペースの裏はシャンプーブース。
天井の高さが、それぞれ約3mと2.4m。ここまで差があると開放的な空間と、落ち着いた空間のメリハリがしっかり出てきます。
待合はお客様がくつろげるスペースとして造られています。
写真だと分かりにくいですが、壁は杉板張り+白塗装。床板はパイン材で温かみのある空間になっています。窓の外は向かいの山まで視線が延びて気持ちの良い景色を取り入れています。
夜作業中の写真です。
照明の色温度の違いは、内部の雰囲気に大きく影響します。
高窓の明かりは昼白色+電球色の作業照明(カットスペース)。向かって真ん中から右の窓は温かみのある電球色の明かり(待合スペース)。
作業に適した照明と室内を落ち着かせる照明があります。
適材適所で使い分けると良いですよ。
工事の最後は植栽工事
4m程の背の高い樹木を入れてもらっています。
内部からはこんな感じ。
カットスペースの高窓から空と緑を眺められるようになっています。
背の高い木が入ると迫力がありますね。
外からの印象も建物を優しくしてくれますし、家の中からも潤いが得られます。
忙しいときの心の拠り所になってくれるといいなぁ。
今回、店舗の仕事を終えて感じたことは、”時間の流れ”の違いです。
室内に入ってから2~3時間で良いと思える店舗の空間と、住み始めてから5年、10年(それ以上!)住み続けたいと思える家の空間とではやはり、考え方もやり方も違ってきます。
店舗の魅力と家の魅力、その2つをうまく融合するのは簡単そうで、とても難しい事です。
どこを飾って、どこを抑えるか...。
現在、家を検討されている方も今一度”これからの時間の流れ”に目を向けてみてはいかがでしょうか?