家の設計に対して、流行のデザインや機能性、最新設備機器を取り入れるのも必要ですが、もっと大切なことがあると考えます。家とは長年住まうごとに味わいを増す、家族にとって愛着のある家。そして何よりそこに暮らす『人の心の豊かさ』を創りだす空間でなくてはいけません。デザインや設備、装備を第一優先に考えて家づくりをすると家は無機質な『モノ』になってしまいます。例えば流行のデザインを追い求めた最近の自動車や洋服よりも家はずっと高額で長く使う『器』だからです。ですから家の設計ははじめに造形的にあってはいけません。奇をてらわず『単純』『素朴』で質の良い空間を整え、主張しすぎず家族とともに時を刻み、やさしく寄り添う様な品のある美しい家をつくっていきたいと考えています。